デンマークの町シリーズー表紙の町

ユダヤの誇り、ヒーロータウンGilleleje


1943年8月、デンマーク政府はドイツ軍の支配下となった。そのため、この年の9月末から10月初旬、ドイツ軍はデンマーク国内の全てのユダヤ人を捕らえ、ポーランドの強制収容所に送ろうとしていた。
1943年10月6日深夜から7日未明にかけて、およそ1400人とも2000人とも言われているユダヤ人が、このGillelejeの町からスウェーデンへ渡ろうと身を潜めていた。この町の人口は約1700人であったことから、ほとんど全ての民家がユダヤ人をかくまっていたことになる。ゲシュタボによって、Gilleleje教会に隠れていた80人と、船に乗って逃げる途中の8人の計88名が捕らえられ、収容所に送られたが、その他大勢のユダヤ人は、その夜、安全にスウェーデンへと渡ることができた。
戦後、Gillelejeは常にユダヤ人にとって大切な場所として心に刻まれ、イスラエルから感謝のメダルなども贈られている。のどかで風光明美な北シェランの港町Gillelejeの美談は、この地で大切に語り継がれている。